断薬と減量

ヤンヒー病院で陰茎形成術を受けるためにしなくてはならないことが、私には二つありました。一つは常用薬を一時的にやめること、もう一つは体重を減らすことです。この頁ではその二つについて述べます。

 

■断薬

SRSを受ける少なくとも2週間前までに、すべての服薬を中止するようにヤンヒー病院から注意があります。ホルモン注射も、サプリメント摂取も、喫煙も駄目です。私はホルモン注射は長く休んでいたし、サプリメントも摂っていないし、煙草も喫いません。しかし、先の「仲介業者を利用すること」の頁でも述べましたように、普段は精神科の薬を服んでいます。また、2010年〜2013年辺りは特に持病の調子が思わしくなく、沢山の薬を服んでいました。それをすべてやめなければならないのです。

 

私の精神科の主治医は私がGIDであること、海外の病院でSRSを受けることを理解してくれているので、渡航スケジュールに合わせて無理のない断薬スケジュールを組んでくれました。しかし、無理のないスケジュールであっても必要な薬を服まないでいるということは、可能ではありますが大変つらいことです。もしも、精神疾患を持ち服薬しているけれどSRSを望む人がいるなら、それは不可能ではないけれどとても苦しいことであることを予め申し上げておきます。それ相応の覚悟が必要であると。

 

また、SRSと同時に精神科でのケアをヤンヒー病院にお願いする場合は、服薬歴をヤンヒー病院に知らせておく必要があります。はじめての服薬から今日までをすべて、英語で知らせるのです。
私の場合、はじめて精神科にかかってから今回のSRSまで10年以上経っており、その間さまざまな薬をいろいろな組み合わせで服んでいて、しかも自分ではその記録をほとんど取っていませんでした。処方箋薬局で発行して貰える「おくすり手帳」を見れば判らないこともありませんが、すべては把握できず、結局のところ、かかりつけの精神科には保存カルテをひっくり返しての全投薬記録の転記の、アテンダンスのT社には10年(以上)分の投薬記録の英訳の、手間と苦労を負わせることになってしまいました。
もしも私と同じように精神科の投薬を受けていて、ヤンヒー病院でSRSの予定がある人がいるなら、「おくすり手帳」はきちんと記録を怠らず、新しい投薬ごとにその内容を逐次英訳しておくことをおすすめしておきます。

 

2005年、2009年と断薬の過程をまとめてきましたが、今回は言及しません。服薬内容が多剤に渡っていてまとまりきらないのと、断薬が身体にしんどくて記録を残しておけなかったためです。

 

■減量

2009年に尿道延長術と陰茎形成準備術を受けるため渡航した際、私は執刀医先生から「次の手術を受けるまでにBMI値が25以下になるように減量してきなさい」と言われました。
BMI(ボディマス指数)とは身長から見た体重の割合を示す体格指数のことで、簡単に言えば肥満度の目安です。当時の私の体重は78.5kg、身長は157cmだったのでBMI値は29.6。BMI値を25にするには体重を61.6kg以下にする、つまり少なくとも約17kg落とさなければなりません。
術野のことだけ考えれば2005年の手術から半年経てば次の手術を受けることができます。しかし、体重を落とさなければならないとなると、半年で済むかどうか……。とにかく、BMI25以下でないと手術できないと言われましたから、そのようにしなければなりません。

 

何故、BMI25にならなければならないのかは執刀医からは聞けませんでしたが、後々調べてみたところ、どうやら肥っている人間は手術がしづらい(脂肪の厚みが邪魔になる)、また傷が治りにくい、合併症などのリスクが高くなるなどの理由があるのだということが判りました。煙草と肥満は手術に禁物です。

 

体重を落とすためには、消費カロリーが摂取カロリーを上まわる必要があります。これを実現するためには(1)摂取カロリーを低くする=食べる量を少なくする、(2)消費カロリーを高くする=運動量を増やすことが必要になります。言ってしまえば、これ以外の方法はありません。○○ダイエットとか痩せる××とか、世の中には減量・痩身に関わる材料や方法論が溢れていますが、それ等の大抵は気休めです。経験して実感しました。減量するには少なく食べて沢山動くしかないのです。

 

最初は食事量の制限だけで減量しようとしていました。しかしそれには限界があるのです。運動は不可欠です。どんな運動をすればよいか。有酸素運動です。駆け足や自転車漕ぎや水泳などです。
私は自宅に安価なエアロバイクを据えているので1日に2時間それを漕ぎ、夏場は公営プールに赴いて1時間は水中ウォーキングをし(膝への負担軽減と、まともに泳げないため)、それ以外の季節は1日1万歩以上の陸上ウォーキング(大体小一時間=5〜6kmくらい)をしました。また、ダンベルセットも自宅にあるのでそれで筋力トレーニングもしました。筋肉量を増やして有酸素運動をすれば、効率よくカロリー消費ができます。

 

しかし、それだけでは「目に見えて」減量するということはできませんでした。じわじわとは体重が落ちていきます。根気よく続けるなら、この方法でいいのです。けれども、いまにして思えばこの頃の私は手術を焦っていました。
というのも、前回(2009年)の手術を終えてから暫くの間、持病のうつ病その他精神疾患の調子がよろしくなく、減量どころではない時間を長く過ごしてしまっていたことと、「このままではいたずらに時間を過ごすばかりだ」と思ってアテンドと手術の予約を体重が整うより前に済ませてしまったからです。
アテンドと病院の予約をして渡航時期が定まれば、それまでに体重を落とすしか道はなくなります。急いで先へ進むしかありません。

 

私は1年と少しかかって9〜10s落としたところで、サプリメントに頼ることにしました。
先ずDHCプロテインダイエット。 1日3食のうちの1食を低カロリーで栄養分を豊富に含んだプロテインシェイクに置き換えるというものです。似た商品はほかにもありますが、私がDHCのものを択んだ理由は、(1)比較的安価であること、(2)フレーバーの種類が豊富で、味も自分好みであることです。
この置き換え法は、運動と併用すると比較的楽です。適度に身体を動かしている方が空腹を感じにくいからです。
次に、ヘルシアスパークリング。 脂肪の燃焼を助けてくれます。ヘルシアシリーズには緑茶やスポーツドリンクがありますが、どれもヘルシア独特の苦みがあって飲みづらいです。しかしスパークリングだとその苦みをあまり感じずに飲めるので、私はこれを択びました。ウォーキングするときの水分補給に飲みます。運動中に飲むならヴァームウォーターもおすすめです。ヴァームウォーターを飲みながら運動すると汗が沢山噴き出してきます。
もう一つは特定保健用食品のペプシスペシャルメッツコーラです。食事と一緒に摂ると脂肪分の吸収を抑えてくれます。減量のため避けている揚げものなども、どうしても食べたいというときが出てきます。そんなときは無理に我慢するより、特保コーラを飲んで少量食べることにした方が精神衛生上よろしいです。気休めにはなります。
これ等サプリメントが「効いた」のかどうかは、はっきりとは判りません。しかし確かにこれ等を利用している間にも体重は落ちていましたし、利用しているという「安心感」はありました。

 

減量後半戦は、運動のほとんどを陸上ウォーキングにしていました。日常生活の「時間」を可能な限り切り詰めて、捻出した余暇をすべて歩くことに充てました。毎日2万歩近く歩いたでしょうか。駆け足すればもっといいのですが、駆け足は苦しいし苦しいことは長続きしないので歩くことで代替しました。
食事制限と運動を平行して行う生活習慣を長く続けて、61kg前後まで体重が落ちました。食事制限は最初のうちはつらいですが、時間を掛けて慣れていくと少量の食事で済ませられるようになります。
またその後、断薬が進んで体調が悪くなると、運動はできなくなりましたが食事も喉を通りづらくなり、減量は進みました。2013年の渡航直前(4月頃)には体重が60kgを切る日も出てきました。

 

こんな風にして、私は渡航日までに何とか体重を約17kg落とし、ヤンヒー病院の執刀医が要求した通りBMI25を実現しました。

 

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