尿道狭窄と尿失禁 [2013年月6月29日(土)− ]

帰国後2週間ほど経った頃、排尿時に尿道が少し焼けるような痛みを感じるようになり、尿線が何となく細くなってきたように思われました。T社にメールで相談してみると「炎症を起こしている可能性があるので早めに受診してください」との回答を頂いたので、ホルモン注射でお世話になっている泌尿器科で診て貰うことにしました。
尿検査の結果、膀胱炎を起こしていることが判り、抗生剤を処方して貰いました。

 

抗生剤を医師の指示通りに服んでいたら、排尿時の痛みは治まりました。これはこれでよかったのですが、更に2週間の後、驚愕の出来事が起こりました。尿意を堪えることができなくなったのです。
人が尿意を感じると、先ず「トイレに行きたいかも」と思いますが、その場で尿が出てしまうことはありません。尿意が強くなって「トイレに行きたい」とはっきり思うようになっても、トイレを探して排尿の準備をするまでは大丈夫でしょう。「もう洩れそう」という段階になっても、尿道を意識して締めることでぎりぎりまで我慢できるものです。
しかし、その我慢が効かなくなったのです。尿意を感じたら尿がぐっとこみ上げてきて、尿道を締めてはみるのですが、トイレまで保たずにその場で出てしまうのです。洩れる、というかわいらしいものではありません。膀胱の中にあるだけ出てしまいます。そして尿意は何の予兆もなく突然起こります。

 

この現象は再現性がありました。と言うより、これがはじめて起こったとき以降、尿を堪えるということが一切できなくなりました。どんなに腹筋や括約筋に力を込めて我慢しようとしてもこみ上げてきた尿は出てしまいます。
こんなことははじめてです。私は慌てて泌尿器科で受診しました。
1日のトイレの回数や1回の排尿で出る尿量などの問診の後、エブランチルという薬が処方されました。尿の出をよくする薬です。それを1週間服んで様子を見ましたが、症状は改善されません。翌週にはエブランチルに加えてベタニスという薬が処方されました。過活動膀胱を改善する薬です。膀胱の緊張をやわらげ、沢山尿をためられるようにして尿意をやわらげます。
しかし症状は改善されません。ベタニスをやめて今度はベシケアが処方されました。これも膀胱の収縮を抑える薬で、尿失禁を防ぎます。これも私には効果がありませんでした。

 

膀胱の容量がどれくらいかを見るために、膀胱鏡検査というものをして貰いました。尿道口から内視鏡を挿入して尿道及び膀胱の内部を見るものです。麻酔剤を尿道口から入れて痛みのないように行われます。
しかし、膀胱を見ることはできませんでした。ダイレーションでカテーテルを挿入している尿道口から13cmの位置までは内視鏡はスムースに入るのですが、そこよりも奥へは性別適合手術を受けて間もないため、まだ縫合糸も溶けずに残っていて傷も治っていないので、いたずらにさわらない方がいいとの医師の判断です。
傷が治癒してからもう一度見てみることにして、投薬治療を続けることになりました。

 

いつ失禁してしまうか判らないので、外出が難しくなりました。しかし、まったく外出しない訳にも行かないので、大人用紙おむつを使用することにしました。そうでないと、いつ尿意が来て失禁してしまうか気が気でないのです。自宅では普通に布製のパンツをはいて、1時間以上外出するときは紙おむつをはきました。
おむつは単価が高めで、また外出したからといって常に失禁する訳でもない(むしろ不意な尿意は外出中にこないことの方が多い)ので、無駄が多くなります。経済的に恵まれている訳でもないので節約しなければなりません。紙おむつ単体ではなく、尿取りパッドを併用することにしました。尿取りパッドは1枚が紙おむつよりも安価です。尿取りパッドを付けておけばパッドだけ交換して紙おむつは数回使えます。2013年はそのようにしていました。
2014年になってからは、たとえ失禁してしまっても尿量はさほど多量でもないことが判ったので、布製のパンツに尿取りパッドを付けて使うようになりました。尿取りパッドだけでも紙おむつと同じ2〜3回分の尿を吸収してくれるので、不都合はありません。

 

細くなってきていた尿線は、次第に線ではなくなってきました。ぽたぽたと滴が落ちるだけになり、更には固い便を出すときのように力まないと尿が出なくなってきています。排尿をスムースにするウブレチドなども処方されましたが尿の出はよくなりません。尿が出にくいのに急に起こる尿意と尿失禁は頻繁にあります。尿失禁に作用するスピロペントを処方して貰ったこともありましたが、これも奏功しませんでした。
尿が出にくくなってから、頻尿にもなりました。1回の尿量は少ないのですが、回数が多いのです。ひどいときは1時間に1回トイレに行っていました。昼間も夜間もです。トイレに行くたびに尿道カテーテルの操作をしなければならないし、夜は眠っていられないし、それだけで疲れきりました。おまけに尿が出にくいので力まないといけないし、力んで排尿すると尿道が痛みます。しかもいつ失禁してしまうかも判らない。これ等の具合いの悪さのため持病のうつ病も帰国以降症状が改善されず、低調をを引きずったままでした。

 

2013年も暮れにさしかかった頃、再度膀胱鏡検査を受けました。前回と同じく形成した尿道の奥、膀胱へと続く道は縫合糸が溶けているもののはっきりとしないままで、更に奥まで内視鏡を進めようとするなら痛みを伴い、通っている個人医で扱う弱い麻酔では対応しきれません。もっと強い麻酔をかけて内視鏡を入れようとするならかかりつけの個人医でなく、もっと大きな病院で診て貰う必要があります。
さいわい、かかりつけの医師は大きな総合病院とのつながりがあって、紹介状を書いて貰えることになりました。しかしそれは、年が明けて2014年になってからのことでした。年が明けるまで、頻繁に起こる尿意と排尿時痛に耐えなければなりませんでした。

 

尿道狭窄と尿失禁の2014年以降の治療については、性別適合手術とは別の頁を用意しましたのでそちらを御覧ください。

 

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